もしも蒼月潮が大人しめの女の子だったら……【うしおととら】
第3章 とどのつまりめんどくさい
「……かっ~やだね~」
「?とら、なんか言った?」
「……ここいらは暑くなくて汗だくにならねえんだなって」
「貴重な絵があるからクーラーかかってるんでしょ」
「なに!これがクーラーか!」
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その日の夜。帰って早々に父さんに呼び出される。疲れていたので早めに休みたかったけど、何やら真剣の面持ちだったため、仕方なくついていった。畳の上で、向かい合って正座をする。
「潮…お前ももう14だ。そろそろこの寺の住職の娘として、寺の縁起を知っておいてもよかろう」
これはもしかしなくてもいつものオバケの説教がはじまるやつだな……
私は、右から左へと言葉を聞き流す準備をした。今回もなんてことない、いつも通りのただの説教だろう。要約すると、妖怪退治の名人が、人々を食い荒らしていた妖怪の動きを封じたという話。うん、もう寝ていいかな。
「男は破邪のやり_____獣の槍で、妖怪を自然石に縫い止めたのだ。人々はその上に寺をたて、槍を持った男は僧侶として妖怪を見張るため、そのまま住職となった……それが蒼月家の血筋だ」
「へ…へ~」
なんだろう、少し雲行きが怪しくなってきたような…
「そして蒼月家の口伝にこうある……土に通じる扉は開くまじ……」
ギクリッ……
「お前はおっちょこちょいだからなあ、間違えてそのドアを開けちまう前に言っておこうと思ってだな……」
「そっ…そそそそうだねー、オバケ怖いもんね……」
父さんは私の両肩を激しく揺らし、かなり強めに言い聞かせる。いつになく目が本気だった気がする。
「…いいか潮!我々は断じて妖怪を世にだしてはならんのだ!そう!断じて!蒼月家の血にかけて!!」
___________父さん…ご先祖様……ごめん!
「そっか!分かった父さん!明日学校あるから今日はこれで…」
罪悪感に耐えきれず、じゃっ、と部屋を出ようとすると、父さんに呼び止められた。
「は…!?な、なんですかっ!?」
「………………はっはっは、まさかな!わたしとしたことが………それが獣の槍だなんてあるわけがな…」
「そうだよ父さん、もーばかなんだから~」
後ろでとらのクックッと笑う声が聞こえる。こいつ、覚えてなさいよ……