第2章 有り触れた日常
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ライ「ベルトルト、お前…………。」
ベル「ああ、ライナーが思ってるような事はないよ。ほら、って妹みたいじゃない?」
「妹?えへへ、ベルトルトの妹〜」
ライ「はあ?」
ベル「の髪って撫でたくなるよね」
「髪〜?」
ベル「綿毛みたい。」
「それは褒めてるんですかね?ベルトルトさん。」
可笑しそうに声を上げたは、頬に手を当てて目を細めた。それに、ベルトルトは悪戯そうに笑った。
彼は普段からあまり喋る事はなく、いつもライナーの隣に黙って居るイメージがあるが、実はそんな事はない。
結構お茶目な所もあってたまに冗談を言って見せたり、結構悪戯に笑う、無邪気な子だと、は思っていた。
きっと、心許せる数少ない友人にだけ見せるベルトルトの新たな一面なのだろう。
彼のに対するその態度から、ベルトルトがに心を開いているという事実を感じさせた。
ベルトルトとが笑い合うそんな様子を面白くなさそうにライナーは横目で見ていたが、ジョッキに入った水を飲み干して、席を立つ。
ライ「先に部屋戻るぞ」
ベル「あ、うん」
「また明日ね〜ライナー!」
じゃあな、と一言残し去るライナーに、穂実はヒラヒラと手を振る。そう遠ざかっていく彼を、ベルトルトは呆れたように溜息を吐いた。
ベル「ごめんね、ライナーは素直じゃないんだ」
「フフフ、知ってる。」
ベル「………………流石だね。将来のライナーの嫁。」
「気が早いよ〜ベルトルト!」
少し顔を赤く染め、はベルトルトの肩を叩いた。
それにベルトルトは目を伏せ笑う。
に言えない秘密を隠して。
そして、それが叶わないということも。
また、はベルトルトが何かを隠して笑っている事に気づいていた。
それでも、尚、いつものように笑うのだ。
「はは、……だろうね。」
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