第2章 有り触れた日常
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ライ「馬鹿な事を言うな。」
もう一度を見やったライナーはフンと不機嫌そうに鼻を鳴らした。
滑らかなギターの音色が止めば、昨夜と同じように拍手が鳴り響く。拍手が送られている本人、はえへへと照れたように笑みを漏らした。
を取り囲んで口々に感想を述べる訓練兵達からは無邪気な色が見えた。
ニコニコとお礼を言う彼女は初めて褒められるかのような新鮮な笑顔で彼等の話に耳を傾けている。
ベルトルトはそんな様子を見ながらフフ、と笑みを零した。
興奮する彼らからやっと解放されたはギターを持って小走りでライナー達の方へと向かった。
「ライナーっ」
ライ「……なんだよ」
「どうだった?今日は!」
ライ「良かったんじゃないか。」
ライナーの背後からヒョコっと顔を出したとライナーの目がパチリと合う。
ニコニコ笑顔のにどんな顔をすればいいのか分からず、ライナーはフイと目を逸らした。
「本当?嬉しい〜、ねっベルトルトは?」
ベル「今日も素敵だったよ」
「えへへ〜!」
ライナーの隣に腰掛けたは机に頬杖を着いていつものように笑う。そして、机の上に置いた愛用のギターを愛おしそうに撫でた。
ベルトルトはそんな指の先を見て、所々ギターに傷がついているのに気がつく。そこで、彼女が相当このギターを愛し使い込んでいるんだな、と唐突に理解した。
そんなの綺麗な黒髪をベルトルトは優しく撫でる。それには彼を見上げふにゃりと笑った。
そして言う、もっと撫でて。と。
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