第2章 有り触れた日常
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『ら、ライナー!?』
「……っ、らいな、」
ライ「何、してんだよ。」
いつも以上に目力を強め男を睨みつける。男はマズいと感じたのか、空っぽな笑い声を上げた。
『ち。違うんだ、ライナー!』
ライ「何が違うってんだ、このの姿を見て誰が違うって思うんだよ」
『……あっ、』
ライ「殺されたくなかったら今すぐ出ていけ。」
そのドスの効いた声が響き渡り、すぐさま、男は出ていった。バタンと扉を強く閉めた音がしたあと、その場には沈黙が広がる。
ライナーは、の元に座り込んで彼女のはだけたシャツを直した。なるべくシャツの中を見ないようにしていたが、
シャツを直す直後、ライナーの手がの胸に触れた。
ライ「……わ、ワリィっ」
ライナーが想像していた以上に大きかったの胸。その感触にライナーは戸惑い、口元を手で覆った。
「っ……ライナー、」
ライ「お、お前なあ、無防備に男に着いてくんじゃねえよ。」
「ごめんなさ、」
ライ「たまたま俺が備品を取りに来たから、助かったんだぞ。」
「っ、らいなぁ、ごめんっ、あり、がとぉ」
ライ「…………泣くなよ」
の目からボロボロと溢れる雫を拭って、頭を撫でた。恐怖に震える彼女を安心させるように。
すると、自身の胸の辺りに何かが押し付けられる。気づいた時には、がライナーに抱きついていた。
背中に回された腕、目線を下げると、の黒い髪が揺れる。ジワジワとシャツが濡れる感覚に、ライナーは今自分に起きている状況を把握する。
戸惑いながらも、の背中に手を回して、ギュッと抱き締めてやった。
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