第2章 有り触れた日常
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「アニは?好きな人とかいるの〜?」
アニ「居ない」
ミー「だろうね。」
予想通りの答えに一同が笑い声を上げると、その反応にアニは不満そうに顔を歪めた。
ミー「じゃあどんな男の人が好き?」
アニ「…………背が高くて、優しくて、頼りがいのある人」
ハンナ「めっちゃイイじゃん!理想!」
クリ「分かるよ〜!!」
アニが理想を告げれば、周りは即座に反応を見せ盛り上がった。共感してくれたのが嬉しかったのか、アニは顔を伏せる。
アニの耳は少し赤らんでいて、そんな様子が可愛くては笑った。
「アニは意外と乙女さんだからね」
アニ「意外ってなんだよ」
「ふふ……可愛いって事だよ」
はアニの金髪を撫でてぎゅっと肩を寄せる。
アニの表情は変わらなかったが、満更でも無さそうにを受け止めるのは、アニがを大切だと思っている証拠だと思う。
そんな時間が幸せだと、心の底からそう思っていた。
それから、彼女達は沢山の恋話に花を咲かせた。
好きな人のタイプ、理想のデートシーン。少し大人びたキスの話など、どの話題も尽きず、いつもの厳しい訓練なども忘れ、語り合った。
その議論は深夜まで続き、全員が一つの寝床でいつの間にか眠りについていた。
朝起きた時には、あちこち身体が痛かったが、それもたまにはいいかと、皆で笑いあった。
これは、まだ残酷な未来を知る由もない、平和で乙女な少女達の一夜物語。
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