第2章 有り触れた日常
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ハンナ「じゃあさ、男子の中で1番好きだなあ、って思うのは誰なの?」
「一番、かあ」
ハンナの問いに、は指を顎に当てて考える。一人一人脳内で思い出し選別。どの人も好きだと思ったが、それでも上げるとしたら一人しかいないと思ったんだ。
「ライナーかなあ」
その答えにやっぱり、と口々に上げる彼女達。そんな様子にはヘラヘラと笑うしか無かった。
ユミ「あんなゴリラのどこがいいんだよ」
クリ「ユミル!そんな事言っちゃダメでしょ!」
「ん〜、ライナーっていい匂いがするんだよね〜、いつも助けてくれる時何か安心する」
匂い、って変態か、そうユミルは呆れたように呟いたが、他の女子はいいじゃん、とそう囁き合う。
ユミ「だが、。お前、ライナーにウザがられてるんじゃないのか?いつも手間を掛けさせてさ。」
クリ「ユミル!」
ユミルは意地悪そうに口元に笑みを浮かべながらそういう。
少しはが悲しそうな表情見せるのではないか、と、ユミルの少し悪戯を込めた言葉だった。
「ふふ、分かってるよ〜。それでも助けてくれるのはライナーの優しさでしょ。」
サシャ「ライナー意外と優しいですもんね〜」
それでも、何処か楽しそうに言うは遠くの方を見つめていた。そんな彼女を幸せそうだな、と他のルームメイト達も笑顔になる。
ユミルは面白くなさそうにフンと鼻を鳴らした。
いつも笑顔で悩みもなさそうな彼女の悲しそうな顔を少しくらい見たいと、思っただけだったのに。
そんなユミルを他所に、ガチャリと扉は開く。
扉を開いたのは、アニ・レオンハート。たまたま席を外していたようで、自室へと帰ってきたらしい。
「あ、アニ!」
アニ「…………何してるの、皆集まって。」
ミー「今皆で恋バナしてたんだ〜」
アニ「…………恋バナ?」
ハンナ「そう!好きな男の子の話!」
アニ「へえ。」
そう聞いたアニは興味を示さず自分の布団に入ろうとする。そんな様子を見兼ねて、ミーナがアニを引っ張った。
アニは大変不服そうだったが、抵抗も虚しく、彼女達の和に入れられたのだった。
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