第2章 変わる未来
もういっそあんな事を言ったお前が悪いと言ってしてしまうか?抵抗する気も失せる程に責め倒すか?いや、でも…もしそれでみのりが俺に幻滅したら?みのりの思考回路はたまに変だ。もしも最後までしようとして身体が目当てだったのかと言われたら?違うと言っても散々キスしようとしてたなら説得力がない。そうだ、なら、この場合は!1度しないと言ったなら俺はしない!それがいい!
そうと決めたら、酔いが回り過ぎたと嘘をついて部屋を出ようとした。だが、みのりが慌てながら俺の前に移動した。そして、俺が聞きたかった言葉をやっと言ってくれた。
「私は、ローが好き!大好き、愛してる!だから、その…えと…」
やっと…やっとだ。たった数日だが物凄い長かった気がする。感動で今すぐ抱きしめたかった。だが、みのりの反応に少し意地悪をしたくなった。だから、と言ったのに深い意味があるのかないのか。
「………だから?」
「えーと、その、だから…」
意味があるんなら聞きたい。みのりの口から俺を求める言葉が欲しい。
「だから、その…あの…」
初めて会った時のみのりからは予想もつかない程にみのりは顔を真っ赤にして泣きそうな顔で俺を睨んでいた。あの無表情だったみのりを、俺がこうさせているんだ。
「だから、なんだよ。なぁ…みのり?」
耳元に顔を寄せて囁くように言えば、みのりの能力で壁に吹っ飛ばされた。壁が壊れない程度とはいえ…また、この流れなのか…。やり過ぎたかと顔を上げると、みのりが俺を見下ろしていた。
「っ〜!よ、酔ってるから、たまたまそういう気分なだけなんだからね!?」
そう言って、みのりは俺に抱き着くと同時にキスをしてきた。唇が触れ合うだけのを、凄く緊張しながらしているみたいで息をしてる様子がない。酔っているを言い訳にしてこれなら、まだまだ先は長そうだ。
「っ、は…あ、あの…」
離れると同時に大きく息を吐き、みのりがまた俺を見下ろす。
「私、寝るから!」
勢いよく部屋を出て、廊下の壁にぶつかる音がする。何か独り言も聞こえてくるが…今の俺はそれどころじゃなかった。
「………あの可愛さを前に我慢とか拷問か…」