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貴方と未来を過ごしたい

第2章 変わる未来




ローの目がまた見開いた。聞き間違いとか思ってくれないかなと期待したけど、もう逃げるのを諦めた方が良いと思う。観念しろ私。これ以上逃げても申し訳なさ以外何もない。


「………ロー…?」


固まったままのローに声をかけると、ローがハッとする。


「あ、あぁ…。………酔いが、回り過ぎたみたいだな。俺は寝る」


そう言って、ローが私をおろしてベッドのある部屋へと向かおうとした。え、いやいや待って、散々拒否ってきた私が言うのもなんだけど今ここでその対応しちゃうの!?


「…へ?」


え、ちょっと待って、もうこれって私は観念してローにキスされて、今までの想いを告白して想いが通じあう所じゃないの!?え?え?私こんな状態で放置されるの?いや、散々私がローにしてきた事なのか。いやでも、ローがキスをしようとして私が拒否して、今、やっと、私もキスしたいと、思った所で…!何でここでこうなるの!?


「ちょ、待ったぁあああ!!」


思わず瞬間移動をしてまでローの前に行き止める。いやもうなんかこうなったらやけくそしかない!
私が船を壊しちゃったあの日…ローが、私の方が大事だって言ってくれたから…優しい笑顔で、私を見てくれたから私はローを好きになったんだ。ちゃんと、私を見てくれたから
変わった能力を持った奴だからじゃない。おかしな事を知ってる奴だからじゃない。私を見て、私の心配をして、私が大事だと言ってくれた。きっかけはこの能力のお陰かもしれない。これがなかったら私はローに出会えなかった。ローと出会ってもすぐに殺されてたかもしれない。この能力が無ければ今この瞬間さえなかった。もう私は観念するしかない。もう、この瞬間の為に今までがあったんだろうから。


「私は、ローが好き!大好き、愛してる!だから、その…えと…」


言った…言った!好きって言った!愛してるって言ってくれたから、私も愛してるって、伝えれた。でも…!


「………だから?」
「えーと、その、だから…」


ローがポカンとした顔から、意地の悪い顔になった。私は何が言いたいか分からなくなってきて恥ずかしくって、それでもローの意地の悪い…でもちょっと嬉しそうな顔から目が逸らせなかった。

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