第2章 変わる未来
「おい、いつになったら返事をするんだ」
ローのそんな言葉が耳元から聞こえてくる。えー、私は今ローに押し倒されてます。ベッドで。この気迫だと、なんだかこのまま襲われそうで嫌ですね、本当に。
「本気で逃げようと思ったら逃げれるだろ…観念して返事を聞かせろ」
意地の悪い笑顔でそんな事を言うと、ローがそっと私の頬に手を添えてきた。顔がどんどん近付いてきて…これ以上接近させないように全力で能力で押し返した。
「…観念しろよ」
「いやいや、まずそもそもそれとこれとは別じゃない?仮に私とローが両想いだからっていきなりキスはおかしくない?」
「仮にじゃないだろ」
ニヤッと笑うその顔が、なんだか憎たらしくなってきた。
「でぇええい!誰が返事なんかするか馬鹿ぁああ!」
能力を駆使してローを引き剥がすと、そのまま私は部屋を出た。後ろでローがなんか喚いてる気もするけど聞いてやんない!
私達は今小さめの船で2人きりの旅をしている。いやまぁゾウに向かってるんだけども。本当はこの先の事も色々話したかったけど、そもそも私はこの先を知らないから何も話せないからせめて私はどうしていればいいのかと話そうとしたら傍にいればいいとかローが言い出してそんな話は後でと言おうとしたら押し倒された。あー、座って話をするからってベッドのある所で話をしたのが間違いだった!
まぁそもそも狭い船の中で逃げきれないんだけども!いずれは言わなきゃいけないんだけど!
「…素直に何で言えないの…」
タイミングを逃したのも悪いとは思う。そこからもう意地を張ってしまってズルズルと逃げ続ける羽目になった。いやでもローも悪い!隙あらばキスしてこようとするから悪い!
にしても、キスをしようとするって事は多少なりとも性的に私は見られてるのかな。にしては寝る時は別のベッドであっさり寝てる。いや別にエッチしたいわけではないしむしろ御遠慮願いたいんだけども愛してるとか言われて何もされないってのは複雑なわけで、でもだからっていきなりキスも違うわけで…。
「はは…もう、面倒臭い…」
そしてまた、夜が来る。