第2章 変わる未来
目を覚ますと、麦わら屋達が周りにいた。トンタッタ族の姫様とやらが助けてくれなきゃ死ぬ所だったらしい。俺をここまで運んだのはドフラミンゴの傍にいた女だったという。なら、みのりだろう。
「俺をここに連れてきた女はどこにいった」
レオという奴を問い詰めると、泣きそうな顔をして一瞬でどこかに消えたらしい。瞬間移動を使ったのか。みのりの事だから刺してしまったショックで死のうとしてるんじゃないのか。死にかけたらしいが、普通に動ける程度には回復していたから後始末は任せてみのりを探しに出た。
死ぬなら、あいつは何処に行くんだろうか。本気で見つからないように死ぬならあいつにはいくらでも方法はある。探しても無駄かもしれない。それでも、俺は探すしかない。
「…絶対、死なせてやらねぇからな…!」
闇雲に探しても時間の無駄だ。まずどこを探すべきか…考えていたら、ふと海が浮かんだ。新しい船が出来上がるまでの間、みのりに何回か海中の景色を見せてもらった事がある。悪魔の実の能力者ならこんな景色を落ち着いて見れないだろうからって。そんな思い出を頼りに海岸へと向かった。海の中にいたら探すのは一苦労だが…どうやら海の中には入っていなかったようだ。
「えぇ…もう、やだ…」
俺には気付かず、みのりが独り言を洩らす。…いつになったら独り言が無くなるんだこいつは。
「ローが許してくれても絶対まともに顔見れない…どうしたらいいの…あぁもう面倒臭い…やだ…」
ブツブツと喋っている内容的にどうやら死ぬつもりはないらしい。安心したからとりあえず暫く見ておく事にした。
「あ〜、いっそ知らないフリをすればいいかな…出来るかな…そうだ私は感情を殺すのが上手かったじゃない、いけるいける!…あぁ、想像しただけでローの顔が見れない!知らないフリなんて出来ない!」
一体何を悩んでいるのか…泣きそうな顔をしてた割に悩んでいる事がなんだかおかしい気がする。
「いや待てよ!?…両想いだからって何か変わるの…?」
………両想い?どういう事なんだ。