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貴方と未来を過ごしたい

第2章 変わる未来




目が覚めてから、みのりから聞いていた物語の通りに話が進んでいたと思う。みのりの事も気になったが、今ここで目的を果たさなければ記憶が戻った時のみのりに怒られてしまう。今俺がすべきなのはドフラミンゴを麦わら屋が討てるよう、それまでの道標を作らなきゃいけねぇ。
途中の戦いで、腕を持っていかれる覚悟もしていた。だけど、何故か腕はなくならなかった。みのりが危惧していた方向に物語が変わってないかと不安だったが、麦わら屋がドフラミンゴを押していっているから大丈夫そうだ。戦況は佳境へと差し迫っている。我慢が出来なくなり、みのりを探せば瓦礫の中で佇んでいた。

声をかけると、ボーッとしているようで少しパニックになっているのが分かった。説得しようと話をしても、みのりが落ち着く様子はなかった。
そっと近づき、もう一度一緒に戻ろうと声をかけた。


「…せめて、パンクハザードで…好きって言って欲しかった」


ボソボソと、小さな声で何かを言った。聞き返そうとして、腹に痛みが走った。


「…みのり…?」
「せめて、ドフラミンゴが…私を、利用してるだけだって知る前なら…まだ、信じれたのに…また騙されても良かったのに…」


いつの間にかみのりの手には短剣が握られていた。倒れている奴らのだろうか。


「はっ…気付かれずに…手元まで…移動させたのか…」


出会った頃は、コントロール出来るのかも怪しかったのに。


「っ…ぅ…」


泣いているのかと思って顔を見る。泣いてはいないが、ガタガタと身体が震えていた。


「そうか、みのり…ドフラミンゴの元でも…誰も、殺さなかったのか?」
「っ〜!ころ、せる…わけ…!ない…この、能力で…傷付けるのでさえ…慣れた訳じゃない…!」


俺達と一緒に過ごしたみのりは、覚悟を決めてた。俺の為なら殺しをしても良いと言ってた。今のみのりは…本当に、俺達との記憶を無くしたんだな。


「は、ぁ…みのり…俺なら…だ、い…じょ、う…」


安心させようとして、抱き締めようとして手が空ぶる。みのりはハッとして俺を見た。


「あー…血を、なが…し…すぎ…た…」


意識が遠のいていく。みのりにもたれかかり、みのりが抵抗もなくそのまま後ろへと倒れる。
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