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貴方と未来を過ごしたい

第2章 変わる未来




目が覚めると、辺りは瓦礫ばかり。あちこちで人が倒れている。宙を見ると鳥籠が発動していたようだった。私の身体もあちこち痛かった。あぁ、こんな痛みもういらない…さっさと死んでしまおう。もうドフラミンゴもローもどうでもいい。私なんか生きてる意味が無いんだから。
フラフラと立ち上がり、鳥籠に飛び込めば死ねるだろうかと考えていたら腕を掴まれた。


「…ロー?」
「やっと…見つけた…」


私が最後に見た時よりボロボロだった。多分、原作通り命懸けで戦ったんだろう。


「………貴方、しつこいよね…ドフラミンゴに対してもそう…復讐なんかして、コラソンは喜ぶの?」


少しは動じるかなって思った。けど、ローは動じるどころか私の目を真っ直ぐ見て言った。


「復讐は確かに喜ばねぇ…だが、コラソンは止めたかった筈だ。それに…愛した女と生きる為に前を向いて、あの人が喜ばない訳がねぇ!」


何を、言ってるんだろう。頭がまた痛くなってきた。


「な、に…よ…それ…」
「みのり…頼む、思い出してくれ…お前からすりゃ、口煩い父親みたいな俺だったかもしれねぇが…俺は、お前が好きだ…お前となら、生きようと思えた…」


今にも死にそうな状態で何を言ってるの。馬鹿なの?何なの?私を好き?私なんかの、何を知って、そんな事を言ってるの?


「…嘘だ…」
「嘘じゃねぇ…」


遠くで、ルフィとドフラミンゴが戦ってる音が聞こえた。おかしいな…もう終わりに近いのに…ローの腕がある。


「…分かんない…分かんないよ…」


ズキズキと痛む頭の中で、微かに浮かんでくる記憶。私、笑ってる。ローの目の前で笑ってる。貴方の前で泣いている。怯えている。幸せを感じてる。


「みのり…」


貴方に呼ばれる事が、たったそれだけの事が…ずっと続けば良いのにって思ってた。


「やめて…」


でも、来なかった。貴方は来なかった。私は、ローに気に入られてたのなら…利用価値があるのなら、取り戻しに来てくれるのかなって期待してしまった。でも来なかった。結局その程度だったくせに。


「みのり…一緒に、戻ろう…」


今更もう遅い。


「…せめて、パンクハザードで…好きって言って欲しかった」


そうしたら私は、貴方を殺そうと思わなかったのに。
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