第2章 変わる未来
「おい、そろそろ上にあげないとローが死ぬぞ」
「そのつもりよ」
「おい…!」
「いい加減にしてよ!ローは、仲間にならない!私が仲間なんだからいいじゃない!私がいればいいでしょ!」
「みのり…」
カッとなってドフラミンゴへと叫ぶように言えば、ドフラミンゴがニヤッと笑う。あぁ、この笑い方はやばいかもしれない。
「フッフッフッ…お前が、俺に同情して動いてくれるのはいいが…俺はそんな事は求めてねぇ」
ドフラミンゴに首を掴まれて、慌ててドフラミンゴから離れようとしても息が吸えなくてまともに能力が使えない。慌てて吹っ飛ばそうにも、変な方向に乱発してしまう。
「そういえば…お前の記憶だけどな…お前なんかがローに気に入られてるのが気に食わなくて頭に1発蹴りを入れたが…たったそれだけで消える記憶ならどうでも良かったんだろう」
ドフラミンゴの高笑いが聞こえる。目がボヤけてくる。優しかったのは嘘なの?仲間なのも嘘なの?ただ私の能力が目当てだったの?私を必要としてくれたんじゃないの?私はドフラミンゴを理解出来てなかったの?私は…ドフラミンゴを憎んでるローより、必要とされなかったの?
「っ、く…!」
最後の力を振り絞ってローを島へとぶん投げた。ドフラミンゴがそっちを見て私への力は緩んだけど、体勢を立て直す余力が私にはない。海へと落ちて行く、その瞬間に私の身体が海ではなく地面へ落ちた。
「はっ…みのり…大、丈夫…か…」
海に浸かってて死にかけたくせに、今も肩で息をしてるのにローが私へと声をかける。ドフラミンゴが嫉妬する程、私を気に入ってるロー。
「何で、助けるの…」
もういっそ死にたかった。なのに、何で!私なんかを助けたの!2年も探しにも助けにも来なかったくせに!どうせ私の能力が必要なだけのくせに!
「やっと…触らせてくれたな」
ホッとしたような笑顔でローが私の頬に触れる。頭が痛い。もう分からない。私はどうすればいいの。死にたかったのに、未練が私から消えない。私はどうしたら、この世界に来た時みたいに死ぬ事が期待出来るの。
「…もう、分かんない…」
私が今から始めるのは多分八つ当たりだ。でももう、抑えきれない気持ちをどうすればいいのか分からない。
「2人とも、死ねば良いんだ…!」