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貴方と未来を過ごしたい

第2章 変わる未来




「あ、後から後から…どんどん、怖くなってくの…」


子供みたいに泣きながらみのりは弱音を吐いた。隣に座って頭を撫でると、更に涙の量が増えた気がする。


「うぅっ…く…ふっ…ぅあ…私が、いなくても…っ…今日は助かるはずだった…でも、私がいるのに精一杯で逃げた…変わってる気もする…怖い…うぅ…怖いよぉ…」


ガタガタと震えながら、震えを止めたいのかみのりは自分の身体を抱き締めるようにして身体を小さくしていく。
この数年、名を上げていく間にみのりはどんどん強くなった。懸賞金までつくようになった。それでも、みのりの心の中にはまだ弱さがあったらしい。


「私、ローの為なら人を殺したって良い…今は、皆がそこまでするなって、私の分まで背負ってくれてるけど…いざって時に、私が殺せなくて…それで、ローが…ローの未来が変わったら…!」


そう、みのりはまだ人を殺した事は無い。そこまでの事にならないようにしてきた。他の奴らも、みのりにはさせまいとしている。でも、みのりは俺の為ならと言ってくれている。


「…お前はそれで安心出来るのか?」
「………いざって時に、躊躇して…それで、皆が…ローが傷つく方が嫌だから…」


覚悟を決めた顔で言われて、それでも人を殺すなと言い切るなら、俺はみのりを置いていくしかない。だが、置いていった所でみのりの能力があれば無理矢理でも着いてこれるし、いざとなったら誰も止めようがない。いや…たぶんみのりが着いてこれなくっても、何か理由をつけて置いていけないと俺は思うだろう。


「お前に…本当に髑髏を背負う覚悟があるのか?」
「…私は、あの日決めたよ…この船で旅立ったあの日に…ローに嫌われたって、私はローを守る」


泣いているのに、強い眼差しだった。あぁ、この数年でお前は綺麗になったな。見蕩れそうなぐらいだ。


「貴方の未来は変えてやる。けど、貴方が死ぬ未来には絶対変えてやらない」


みのりは立ち上がって、俺の前に座る。震えはいつの間にか止まったようだ。


「貴方を、守らせてください」
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