第4章 ある日のハートの海賊団
散々怒鳴って、ローを睨み付ける。自分でも分かる程に今私は怒った顔をしているだろう。
私は皆を信頼している。ローに関してはそれこそ1番信用してる。なのにローは私を信用してない、だからこんな事になってる。ただ私はローの誕生日を祝いたかっただけなのに…ローが私の事も皆の事も信用してないから、だからこんな面倒臭い事になってる。
「私が危機感持っても、ローがちゃんと私の事信用してくれない限り意味無い…そんなに過保護に扱うなんて、心配だからじゃないよ!私の事信用してないんでしょ!」
思わず能力が出そうになっても今度はしっかりと抑えながらローを見る。さっきお風呂ではうっかりしたけど、今はこんなに怒っててもこうして能力をコントロール出来るようになった。もう何度他の海賊と戦っただろうか。死角を気にしながら攻撃されないようにして私はまだ誰にも傷をつけられたことが無い。なのに、何故ナンパだとかだけそんなに気にされなきゃいけないのか。
「みのり…」
「ローは…わ、私が…ナンパされたり皆に襲われてもホイホイ受け入れると思ってるんだ…」
「みのり!」
「わ、私、恋愛、面倒臭いって…エッチなんかそれこそ絶対しないって言ってるのにローは全然私の事…信用、してないぃ…」
「みのり、悪かった、俺が悪かったから…!泣くな…」
「うぅ…ローの馬鹿ぁああ!」
段々と悲しい気持ちになってきて涙が出てくる。それを見てローが慌てふためく。何が悲しいって、この過保護な思いは父親が娘を思う気持ちのようで。どれだけこの状況が幸せだと思っててもふとした時が辛くて仕方なかった。初めてこんなにも人を愛したというのにその相手にそんな思いで見られて信用もされてないなんて、悲しくて悲しくてたまらなかった。
「別に、みのりがそんな…着いてく奴だとかは思ってねぇ…ただ、こう…心配というか…だな…」
ベッドの上でボロボロと涙を流していると、ローが寄ってきて優しく抱き締めてくれた。あぁ、本当にこんなにも優しいのに…過保護さえなければ!
「私の何が心配なの…」
未だに泣きながらもローを睨めつけると、ローは困った顔をしてそっぽを向く。
「お前の笑った顔…可愛いから…惚れる奴がいるかもしれねぇだろ」
あぁもう!恋愛って本当に面倒臭い!そんな顔されて言われたら許すよ馬鹿。