第4章 ある日のハートの海賊団
でもやっぱり恋愛じゃないんだろうな。それが悲しいのに変わりはないけど、ローからすれば私はナンパされたり惚れる奴が現れてもおかしくないと。それだけの女には見えるって事だよね?
「…仕方ないなぁ。私が折れてあげるよ」
「どういう事だ?」
「ローの過保護を許してあげる!…別に、モテないから気にしなくていいのになぁ」
「そんな事言って女なら誰でも良いって奴に襲われでもしたら…」
おおっと、遠回しに私貶された?女なら誰でもいい奴じゃないと私襲われない?
「誰も女として見てない場所でどうやって女として自覚したらいいのよ」
「あのな、前に水着着てた時にも言ったが…」
「水着着たり裸にでもなんなきゃ女として見られないんでしょ!それだけ気をつけりゃいいんでしょ!」
「そんなに怒る事かよ!」
怒る事だよ!…好きな人に言われてるんだから。
「…もういい。ローと話してても埒が明かない」
「おい、どこいくつもりだ」
これ以上話しても傷付くだけだし、と立ち上がって部屋を出ようとするとローが慌てて手を掴んでくる。なんかなぁ、本当になぁ…恋愛でこういう事して欲しいよ。
「…寝るの。いつもの部屋で」
「…そうか。…俺も寝て、いいか?」
「当たり前でしょ、ローと私の寝室でしょ」
良いよ、我慢してあげるよ。折れてあげるよ。惚れた弱味だもん。仕方ないよ。
「みのり…」
「何?」
「す、すまなかった…後…帽子、ありがとう」
「…私もごめんね、黙って出ていって。…誕生日おめでとう、ロー」
「あぁ…」
やっと言えた。もうそれで良いや。来年も、再来年も…これから先ずっと言えたらそれで良い。
「あー、そういや、先にペンギンと話してくる」
「はーい」
ふと思い出したローが、ペンギンのいるであろう部屋へと向かってく。私はというと怒ったり泣いたりで疲れたのでさっさと寝た。どうやら私が寝た後一悶着あったようだが私の知るところではない。