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貴方と未来を過ごしたい

第4章 ある日のハートの海賊団




「キャプテン!?」
「何よロー…ノックぐらいしてよ」
「ちょ、待てお前、今お前は黙ってろ!」
「何でよ!この状況見て勘違いする前にそもそもノックしてりゃ面倒臭い事になんないでしょ!」
「それはそうだけど頼むから黙ってくれ!!」


ローを見た瞬間ペンギンは私から飛び退いた。私はというとノックもされずに入って来られたせいで面倒臭い事になると腹が立ってる。そもそも何の用で来たっていうのか!謝りにきたの!?それだとしたら本当にノックぐらいしてよ!


「………おい、ペンギン」
「は、はい!?」
「安心しろ、誤解はしてねぇ」
「キャ、キャプテン…!」
「ただ、それでも覚悟しておけよ」
「は、はいぃ…」


オロオロしたりホッとしたり落ち込んだり忙しそうだなぁ。死を覚悟したかのような顔のペンギンは帽子を被るとスゴスゴと部屋を出て行った。後でまたちゃんとお礼を言っておこうかな。後お詫びも。


「じゃ、おやすみ」
「待て!」
「何よ…」


ペンギンが出て行ったなら私にはもう今日は起きている用事がない。さっさと寝ようと布団に潜ったらローが明らかに苛立ちながら近付いてきた。


「お前…自分が女って事ちゃんと分かってるのか」
「分かってるけど?」
「分かってるなら何で…!」


何で?何でってそんなの決まってる。思わず起き上がってローを見て叫ぶように答える。


「ナンパなんか前の世界では1度もされた事がない!この世界に来てからは金払うからって売春婦と間違われただけ!この船にいて油断があればと狙う人はいない!さっきもペンギンは私の服を脱がせてキスも出来たのにしなかった!…それで?私は何を警戒しろと!?ローなんか毎日同じ部屋で寝てるのに大丈夫でしょ!私が皆を信頼してて何が悪いの!」
「っ、今までがないからってこれからもないとは…」
「仮に、私が誰かに襲われたとして…出来た所でキスぐらいに決まってるでしょ。それ以上しようとして無事でいれると思ってるの!?」
「薬とかで気絶させられたら…」
「そもそもそんなに近寄らせた覚えはないんだけど!?近づいてもこの船にいる皆だよね!?そんな馬鹿な事する奴がこの船にいるの!?」
「…いねぇ、筈だけど…」
「そもそも…仮に私が危機感を抱いたらローは過保護を止めてくれるの?」
「………それとこれとは…」
「じゃあ話す事はない!出てって!」
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