第4章 ある日のハートの海賊団
私の言い分を理解して、それでも尚ローの言い分を知ってて理解してるのかベポが困ったように私の顔を見つめてくる。可愛い。いやでも、ここは絶対引いてやらない。こんな調子でこれから先もいられたらたまったもんじゃない!
「私、今日は別の部屋で寝る」
「な、っ…!?」
「キャプテン!」
一言、そう言って船へと戻る。もう私からすれば分かってくれるまで話す必要はない。ローが愕然としてたけど知らない。ベポは慌ててローに声をかけてたけどそれも知らない。
「私、絶対悪くない!」
持っていた帽子をローの部屋に叩きつけ、風呂場へと向かう。こういう時は長湯をして汗をかこう。じゃないとイライラしてたまったもんじゃない。本当に何でローはあんなにも過保護なんだか。そもそも私の能力を役立てようと、利用しようとこの船に置き始めたんじゃないの!?そりゃあ大事な仲間として置いてくれる事になったのは感謝してるよ嬉しいよ、幸せな気分も実感してますよ!?だからって私の自由は!?
「あぁー、もう、何で…よりにもよってこの日に…」
折角のローの誕生日だというのに。何でこんな思いをしなきゃいけないんだ。ローを好きになって、誰かを好きになって、誰かを守りたいと思って…未来を一緒に過ごしたいと思って日々頑張って…そして、今日!感謝と愛情をプレゼントと言葉にしようと思ってたのに!いや、恋愛感情ってのはばらさないけどさ!
「あぁああ、もう、何なのよ一体!!」
思わず何も考えずに浴槽の湯を見たらお湯が爆発するかのような衝撃が広がり、飛沫が上がって少し冷静になる。駄目だ、壊しちゃ駄目。幸いお湯が減ったぐらいで事は済んだのでちょっとホッとした。
「………これが、ローが…私を愛してるからだったらなぁ…」
大分減ったお湯へと浸かり、ポツリとそう呟いた後に1人また冷静に呟いた。
「いや、やっぱり恋愛だろうと面倒臭いのはいらないな」
そうなってくれればどれだけ幸せなの考えても、これ以上の束縛が来るのを考えたらただ面倒臭いだけだった。何よりも。
「私の気持ちは、どうなるの…?」
無性に泣きたくなって、数える程の涙を流した。この世界に来てから少なくない涙だった。良い事悪い事含めて全てローが原因だった。