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貴方と未来を過ごしたい

第4章 ある日のハートの海賊団




気が重く、足取りも重いなか外へ出てみる。どうやら甲板にはいないようだった。という事は船から降りればいるのか?そう思って下を見れば…仁王立ちで町の方を見てるローと、その横で困ったように体育座りをしているベポ。うわぁ、行きたくない。本当に行きたくない。


「…一旦町の方に移動してから船に向かって来た方が良いかな…」


真正面から顔を見ながら向かうのはちょっと嫌な予感もするけど、かと言って後ろから声をかけて振り向くのを待つのもなぁ。うん、町からにしよう。あぁいやでも決心鈍りそう…こうなったら目の前に移動しよう!それが1番いいかもしれない!

そうと決めたらさっさと移動しよう、と移動してみると何故かローは驚いた様子はなくこっちを見つめてた。ベポはオロオロとしだした。あれ、まさか選択をミスった?


「おい、みのり」
「は、はい?」
「どこに行ってた」
「こ、これを…買いに…」
「…ペンギンの言ってた事は本当みたいだな」


まず疑われてたのか。何を疑うっていうんだろう…今や私の帰る場所はここにしかなくて、ナンパなんか心配される程されなくて…喧嘩しても毎日ローと同じ部屋で寝てるっていうのに。皆といるのが楽しくなって、こうやってローの誕生日を祝いたくてだからプレゼントがないなんて嫌でわざわざ買いに行ったのに…!


「…あ、なんか段々ムカついてきた」
「あ?いきなり何の話だ」
「ちょっと、買い物に行っただけ。そりゃあローの誕生日を祝ってる最中だったけどさ…今はもう別に私一人でも問題ないって知ってるでしょ?なのに何でそんな過保護にされなきゃいけないの?何でローが皆をあんなにまでして怒る必要があるの!?」
「ん、だと!?よくも人の気持ちも知らねぇで…!」
「みのり…!キャプテンも…先に俺が話してみるから、落ち着いて」


もういっそ海に吹っ飛ばしてやろうかと思ったその時にベポに止められる。ベポが割って入らなきゃ海にじゃなくても地面には飛ばしてやったのに!ベポには出来ない!


「みのり…」
「私、悪い所があったとしたらローに黙ってプレゼント買いに行ったぐらいだよ。でも、それだけで皆に八つ当たりだかなんだか知らないけどあんな事する理由にはならないと思う。だから、絶対に謝らないからね」
「うぅ…」
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