第4章 ある日のハートの海賊団
「私、ローが酔った姿…見たいなぁ」
頼むからその台詞で真顔は止めてくれ。
その後シャンブルズやらタクトで足止めやらするも、みのりのコントロール力が最近上がったのもあり捕まった。まだどうにか打開する方法はないかと思ったが、 みのりは笑顔でわざわざ度数の高い酒瓶を持ってきた。
「イッキ!イッキ!」
わざわざ能力を使って身体を押さえ付けられ、無理矢理流し込まれる酒。他の奴らはいつの間にか部屋から逃げてた。なんて薄情な奴らだ!
「うーん、飲み切ったのにまだ顔は普通だねぇ…これ実はそんなに強くない?」
「 みのり…いい加減に…」
顔には出てないようだが、流石にあの量を一気に飲めば多少は酔ってくる。 みのりの求める酔った姿は多分泥酔に近い状態だろう。
「おかしいなぁ」
必死にどうにか逃げるか諦めさす事は出来ないかと考えていると、俺に飲ませた酒をいつの間にか みのりが手に取っていた。
「待て、 みのり!いくらなんでもそれを飲み過ぎたら急性アルコール中毒になるぞ!」
俺の忠告は悲しい事に聞いて貰えず、 みのりは一気に半分ぐらい飲んでしまった。
「あぁ〜…部屋が回ってるぅ〜…」
フラフラと俺から離れると、 みのりはその場に座り込む。ユラユラと頭を揺らして酔った感覚を楽しんでいるようだ。
「お、おい… みのり…」
また変に絡まれないかと警戒しつつ みのりに近付く。 みのりの目にはもう俺は映っていないようだった。というか、いつの間にか目を瞑ってる。
「んん!?」
不意にピタッと止まる みのり。何だ、一体何なんだ!?
「………吐く…」
「だから飲み過ぎるなって言ってんだろ!!」
みのりを抱き上げて扉を勢いよく開けると何人かの声が聞こえてきた。こいつら面白がって覗いてたな…!?怒鳴ってやりたいがそれは後回しだ。慌ててトイレへ連れて行こうとして、 みのりが冷静に呟いた。
「あ、駄目だこりゃ」
扉の前が阿鼻叫喚の図となった。もう絶対、飲ませねぇ…!