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貴方と未来を過ごしたい

第4章 ある日のハートの海賊団




ある日の事。


「あっははは!さぁ飲め飲めー!」


今日はベポの誕生日。恒例の宴だ。


「誰だ みのりに飲ませたの!」
「ちょっとぐらいならって奪い取られて…みるみる内に…!」
「キャプテン!早く みのりの回収を!」


みのりの誕生日の時、酔った みのりはこの男所帯には危険という事で飲むなときつく言っていた。それ以降の宴では何とか飲ませずに済んだが…とうとう回避出来ない日が来たようだった。


「こーんな美味しいのをね!私にだけ飲ませないなんて酷い!」
「やめろ みのり!くっつくな!」


どうやら2度目の酒は酔いが回るのが早かったらしい。やけに上機嫌になった みのりはペンギンに絡んでいた。


「おい みのり、お前…!なっ!」


引き剥がそうと近付いた瞬間、 みのりはペンギンごと宙に上がる。ペンギンはというと、先程から既に酔い潰れる寸前だった事もあり顔面蒼白だった。


「吐く!俺吐いちゃう!」


ペンギンの為にもだが、いくらない胸とはいえあんなに頭に押し付けてるのは見ていて気持ちのいいものじゃない。早くどうにかしてやらないと…。そんな事を考えていると、唐突に壁へと吹き飛ばされた。


「今すっごい失礼な事考えた気がする」
「気がするだけで人をぶっ飛ばすな!」


当たってるけどな!酒が入ってる状態でこの衝撃は流石に目が回る。どうにか体勢を立て直して みのりの方を向くと、 みのりはペンギンに頬擦りをしていた。


「あはは、ペンギンが大人しいなんて面白い!」
「可哀想にペンギン…」
「せめて素面の時だったらなぁ…」


他のクルー達の同情した声に、ペンギンは他人事だと思いやがってと呟いた後口を押さえるのに必死になった。自分の好きな女が他の男に引っ付いているのに少しも羨ましくないな。俺も同情がわいてきた。


「あ、そうだ」


何かを思いついたようで、 みのりが不意にペンギンを落とした。落ちたペンギンは皆に介抱されてるから大丈夫だろう。しかし、一体 みのりは何を思いついたんだ?そう思って みのりを見上げると、楽しそうに笑いながら俺を見ていた。
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