第4章 ある日のハートの海賊団
みのりにキスと軽い愛撫だけで済ませてその先は行わずにいて みのりから強請らせるつもりだったが、 みのりにはお見通しどころか思っていた以上に性欲というものが無かったらしい。感度が高いし我慢出来なくなるかと思ったが誤算だった。
そして、俺から始めた意地の落とし所を みのりが分かり易く提示する。曰く、負けを認めれば みのりからの何かしらの初めての行為を得ると。
「…先に聞けないのか」
「それはローに優し過ぎるんじゃない?ローから始めた事の落とし所をわざわざ私から提案してあげたのに先に内容教えるなんてフェアじゃない」
「………いつまで有効とかあるのか」
「負けたくせに認めずエッチするなら、私はその初めてを一生実行するつもりはない。まぁ、ローがその初めてにそこまでの価値を抱かない可能性はあるけど…ローは、私の事大好きだもんね?」
みのりが上機嫌過ぎる。何かの罠の可能性もあるが… みのりがこういう時に嘘をつくとも思えない。
「これだけは教えろ」
「何?」
「エロい事か」
「間違ってはないんだけど真顔でそういう事言わないでくれるかな、イケメンが台無し」
みのりだけになら別に情けない所は見せても構わない。ただ、負けを認めるのは流石に男としてどうしたものかとも思う。いや、これだけ情けない姿を見せてるなら今更か?いやしかし、エロい事で みのりが初めて…一体何だってんだ?どんな事かも分からないのに素直に認めるのも癪だな。
どうしたものかと考えてると、 みのりが仕方ないな、と呟いた。
「ヒントをあげる」
「ヒント?エロいって事以外か?」
「そう。ヒントは…」
している最中でもないのに、 みのりの顔が妙に艶めいて見えた。そっと俺の耳元に口を寄せて、声だけで俺を刺激するようにわざと囁きかける。
「ローの熱を受け止めて、飲み込んであげる」
ゾクリと背筋を何かが降りていく。 みのりは囁いただけだってのに、俺のものは既に硬さを持ち始めた。
「さあ、ローは素直に負けを認めるかな」
そんな技をどこで習得したんだこいつ。いやでもうこれは、認めるしかない。
「俺の負けだ… 」