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貴方と未来を過ごしたい

第4章 ある日のハートの海賊団




「んふふ…勝った」


ニコニコと笑う みのりに、俺が今後優位になる事はあるのかと思う。普段から みのりはあまり嫉妬もしない…そういえば昔、一緒に町を歩いている時に女に声をかけられてあっさり行けば良いと言われてた数日荒れた事もあったな。 みのり曰くあの時は既に俺の事を好きだったというのに…嫉妬してくれないのは辛い。いやでも、今は みのりは自信満々に俺に好かれていると言うぐらいだ。俺がどれだけ好いているのかを理解してくれてるって事だから今更嫉妬もしないだろ。そもそも片時も離れないようにしてるから離れる隙もない。


「ついでにね、ロー…私お願いがあるんだ」


さっきとは違う笑みになった気がするのは気の所為だと思いたい。


「たまには離れても良いんじゃないかな」


あぁ、これは分かる。絶対折れないやつだな。


「…俺の意見を言うのは…」
「言わなくても分かる。その上で私はお願いしてるの。…どうせ同じ船で毎日一緒なんだからトイレ以外ずっと一緒じゃなくてもいいでしょ!ほぼ毎日やってもいるのに逆に何が不満なのか教えて欲しいぐらいよ!」
「っ〜…1ヶ月に1日…」
「2週間に1日」


この勢いだろうと1週間に1日ぐらいだろうと、最初に多めに取って2週間に1日ぐらいにしようと思っていたのに交渉する間もなくなく みのりは俺の妥協点を出てきた。


「言ったでしょ。言わなくても分かるって」


あぁもう俺は一生こいつに勝てないかもしれない。


「あぁ後最後に…」
「これ以上何かあるのかよ…」


勝てないとはいえこれ以上何があるって言うんだ。というかもうさっさと負けを認めた分のを…。


「私と離れててもちゃんと私の事考えてね」


それなら離れる必要ないだろと言いたかったが、いやでもそうか。距離は大事だ。どうせこの調子なら みのりは離れていても自分は俺の事を考えてると言うに決まってる。分からない部分もあるとはいえ、もう何年見てきた事か。


「俺が、 みのりの事考えない日があると思ってんのか」
「あはは、ローが私の事考えない日が来たらいいのにね。…絶対出来ないの分かってるからこそ言ってあげてるの」


あぁもう、良い。勝てなくて良い。




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