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貴方と未来を過ごしたい

第4章 ある日のハートの海賊団




漸く正気に戻ったローは、そんな事と言い出した。みのりの理由を聞いた上で。みのりがカッとなって言い返そうとするも、ローの言葉に黙り込む。


「そんな事って…!」
「そんな事だろ!そんな事で、俺の傍から離れるな!お前の事を狙う奴らなんて狙った事後悔する程にして返り討ちにしてやる!狙うなんて自殺行為だって思い知らせてやる!だから、だから…!俺の傍を、離れるな…!」


ローが優しく抱き締めて、みのりがさっきまでとは違って次は安心したように泣き出した。俺は空気を読んで部屋を出る。


「…妊娠した事喜ぶ前提なんだな…」


ボソッと呟くと、イッカクが諦めろと言わんばかりに首を振る。普通、まずは子供が出来たけど相手は喜んでくれるのかどうかって悩む所からじゃね?いや、うん…愛し合ってるのは良い事だよな。


それから、俺とイッカクでみのりを探してくれていたクルー達にもう大丈夫だと告げる。更に数時間後、ローが寝室から出てきてみのりの妊娠を皆に告げた。


「…数年間は比較的平和な島を拠点にして、みのりをそこに住ませる事にする。それから先、仮に海賊を止めてもきっと俺は狙われる。海賊をやめなかったとして、俺はみのりの傍から離れる気はねぇ。なら、海賊はやめずにみのりも、みのりとの子供も守り通してやる。お前らには迷惑かけるが、頼むぜ」


迷惑なら、普段からかけられてるんだよな。でもまぁ、俺達はローの事は勿論みのりの事も大好きだからな。迷惑かけられても、それでも助けてやる事が出来る方が嬉しいんだよな。


「ペンギン…ありがとう」
「何がだよ。別に俺は今回何もしてないだろ」


みのりから突然礼を言われる。たまたまローより先に見つけただけで、別に俺何にもしてねぇしな。


「分かんないならいいよ」


ニコッと笑ってみのりが俺から離れる。いや、本当に訳わかんねぇ。俺そんな礼言われる事したっけな…。


「ま、いっか」


まだまだこれからもこのお騒がせな2人の世話をしてやらなきゃな。幸せそうな2人を見て俺も幸せな気分になりつつ、俺もこんだけ思える相手に出会いてぇなと思った日だった。
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