第4章 ある日のハートの海賊団
それは是非ともやめて欲しい。今度こそローが死んじまう。
「ま、待て待て!」
「待った所で、納得してくれないんでしょ?」
「お前がいなくなったら、ローが…あいつが、どうなるか分かってんのか!?」
「私だって…!今度は、自分の意思で離れなきゃいけないのよ…?それが、どれだけ…」
とうとう、みのりは泣き出してしまった。みのりがここまで決意堅く決めた1年ぐらい1人になりたい理由…一体何だってんだよ!
「みのり!」
もうこのままみのりが姿を消してしまったら…そう思い、それでも何とか説得しなきゃいけないと顔を上げたその瞬間に寝室の扉が物凄い勢いで開かれる。そしてそこにはローの姿。
「お前が、どんな理由で言ったのか分からねぇ…」
後ろにイッカクがいるから、多分イッカクから話を聞いてすぐさまここだと気付いたんだろう。みのりが姿を消す前で助かった。
「それでも、俺はお前に嫌われたって二度とお前を離さねぇ!」
そんなローの言葉に、みのりは泣きながら首を振った。
「でも、私…」
そしてローの後ろにいたイッカクから衝撃的な発言がされた。
「みのり…まさか、まだ妊娠した事言ってなかったの?」
俺とローが凄まじい勢いでイッカクを見た。え、待ってくれ、状況が把握出来ない。
「ちょっとイッカク!内緒にしてって言ったじゃない!」
「いや、流石にこの状況になってもまだ言わないのはまずいだろ!」
「だからって、私が、どんな思いで隠してたと…!」
「どんな思いでそんな事隠すんだよ!」
ローより先に正気に戻った俺が問い詰めると、漸くみのりは理由を話しだした。
「足手まといに、なりたくなかった…言ったら、絶対傍にいろって言うと思った…でも、お腹が大きくなって敵にバレたら…もし、万が一の事が起きたら、怖くて…。それに、出産するってなった時にお医者さんがいる所にいたくて…」
理由を聞くと、納得した。確かに妊娠してるみのりを1人にしておく訳がないし、かと言ってみのりの心配通りみのりの存在が敵対してる奴らにバレたらとんでもない事となるだろう。妊婦なんて殺しはしなくても強い攻撃を与えればどうなる事やら。
「そんな、事で…」