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貴方と未来を過ごしたい

第4章 ある日のハートの海賊団




「っ!何だ、ペンギンか…」
「やっぱりな…」


灯台元暮らしだ。みのりがわざわざ船の中では瞬間移動をせずに外で瞬間移動したのは、船の中を候補に入れさせない為だろうと思ったのが的中した。


「チッ、1人ぐらい気付くかもと思ったけど…なんでローじゃないのよ」


正気になったキャプテンなら、多分外で瞬間移動したって聞いた瞬間気付いただろうな。


「キャプテンの事吹っ飛ばしたりもせず飛び出すなんて珍しいけど、そこまでの事になった原因は何なんだよ」
「………どうせ皆にも言わなくちゃいけないもんなぁ…。ちょっと、1人になりたいって言ったの…1年ぐらい」


観念したようにみのりが溜息を吐きながら呟く。そして、衝撃の発言をした。


「はぁ!?お前、そんなの…理由もなくキャプテンが許可するわけないだろ!?」
「でも!…理由は、言えない…」


みのりは俺達の船に来て1年も経った頃には、来た時が嘘のように表情豊かになった。何度も何度もこの船にいれて幸せだと…もう死にたいなんて言わないなんて言って、笑ってばかりの日々だった。そんなみのりが、今泣きそうな顔をしている。さっきも涙声になっていたが、みのりが泣くのは俺が知っているだけでも片手で足りるぐらいの事だ。だから、焦った。


「そ、れって…1つの島に留まりたいって事なのか?それなら、皆で残れば…」
「ローも同じ事言った…私1人じゃないと、駄目なの…」
「何だよそれ…そんな、言えないような事…信用してても、キャプテンが…ローが許すわけないだろ!」
「それでも!…私には、この船にずっといたいって…ローの傍にいるのが1番だって気持ちがある上で頼んだ事なんだよ…?」


こりゃ喧嘩にもなる事だ。俺だってこのままだと喧嘩になりそうなぐらいなんだから。でも、まだローより俺のが冷静になれる。


「…2年もの間、お前がドフラミンゴの所にいて…どんだけあいつが憔悴してたのか分かるか?」
「それは…」
「お前がいない間、あいつこの部屋に入らなかったんだぞ!?寝る時、いつもソファーで寝て…それも、気絶するように寝てたんだぞ…?」
「っ!」


どうにかみのりを説得しようとした。でも、みのりの決意は堅かった。


「…どうしても、納得してくれないなら…このまま、姿を消すしかない…」
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