第4章 ある日のハートの海賊団
「いやぁ、みのりからの贈り物は嬉しいけど…キャプテン、どんな気分で一緒にいたんですか」
「しかも選んだのは結局みのりとか…俺、絶対その横にいたくない」
ゲラゲラと笑い転げながらペンギンとシャチが馬鹿にしてくる。こいつらにはもう俺がみのりを好きだという事はバレている。というか、ベポに言われて知ったが俺が自覚するよりも前に他のクルー達も気付いていたらしい。
「俺にも可愛い雌熊の写真集くれないかなぁ」
「そんなの売ってるわけねぇだろ」
「動物園にでも行ってろ」
「調子乗ってすみません…」
こいつらのやり取りを見つつ、みのりの事を考える。あいつは、そもそも誰かを好きになる日が来るんだろうか。その時俺は一体どういう反応をするのだろうか。
「にしてもなぁ、みのりの反応がなぁ…分かんないんだよな!」
「キャプテンが好きなのかベポが好きなのか…どっちだろうな」
「みのりには悪いけど、俺は異種族との結婚はちょっと…」
「お前はどの目線から物言ってんだよ!」
「てかみのりがお前を好きだったとしても結婚まで続くと思うなよ!」
またもやいつものようにすみませんと謝るベポはさておき…。そうだ、仮にみのりに好きな奴が出来てもそいつとどこまでの関係を結ぶかは分からない。振られるかもしれないし、付き合っても別れるかもしれない。逆も然り…もし、結婚したいと言う程の相手が出来て結婚したら、俺は…。
「胸がなくっても流石に水着姿なら多少はくるものがあるでしょ!」
いつものように真顔で馬鹿な事を言いながらみのりが現れる。何故か上着と短パンは履かずにワンピース姿でだ。
「…おぉ、やっぱり女の水着姿って違うな」
「お前ちょっとそれで酒飲んでみろよ」
「何で水着姿で酒飲まなきゃいけないのよ」
「わあ、みのり似合ってるね、可愛いよ!」
「ありがとうベポ!」
何でこいつはこんなにも迂闊なんだ!確かに普段からクルー達の方がみのりなんかに欲情出来ないとかほざいてはいるが、だからって布1枚剥げば裸だぞ!そんな姿で気安く男だらけの中に現れるな!ベポが熊だからって抱き着くな!イライラとしてる俺の事なんて気にせず、みのりはそのままペンギンとシャチに近付いた。