第8章 現れるはずのない助っ人
簓さんはこっちを振り向いて、文秋載ってもうたなー!なんて言っている。
「聞きたいこといっぱいあるんだけど!?」
「間に合って良かったわ!を迎えに行こう思て来たら丁度道路出て来てな、数分遅かったら気付いてへんかったわ」
「てか何でトウキョウにいるの!」
「が心配になって来てもうた!」
「連絡してよ!何であんなこと言っちゃったんだよ!」
「あんなことってなんや?」
「付き合ってるって何で言っちゃうんだよ!」
「なんやそれ、まだ誰にも言うてへんで?あ、盧笙がおるか」
え?
じゃあさっきの記者の言葉はまさか鎌かけられた?
「マスコミの人に聞かれなかった……?」
「俺は移動移動やったからまだなんも」
うそだろ、俺はしらを切るべきだったのか……?
「墓穴掘ったあああああああ!!!」
「うるせぇんだよ!静かしにしろ!何処に向かうかさっさと言え!」
運転席から急な怒鳴り声に思わず体がビクリとなった。
誰なんだこの人……。
「そうカリカリすんなやー、そうやなぁこのまま三人でドライブでも」
「ふざけんな!この俺様を足に使いやがって何様だテメェは!!」
「おー怖い怖い」
「あの……そちらの方は?」
「あー紹介するな、こっちは碧棺佐馬刻で昔の相方や」
「相方?盧笙さんの前に組んでた人がいたんだ」
「そっちやのうてチームの話」
そういえば聞いたことがあったな、昔イケブクロで活動していたと。
もしかして碧棺さんって……
「MAD TRIGGER CREWの方ですか?」
「ああ」
ええ!?マジで!?すご!
え、簓さんって結構すごい人なのでは?
そりゃヒプノシスマイクが送られてくるわけだ。
「行き先言わねぇならヨコハマ帰るぞ」
「すみません!夕日テレビに向かってもらえますか」
碧棺さんは舌打ちをしつつテレビ局へと車を走らせた。