【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】
第3章 双子は奴良家へ
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婚約者となったあの日、翌日には遠野の方へと挨拶に行って泊まり…その翌日に家に帰って来た。
しかし、その後に両親は羽衣狐によって殺された。
双子が家に帰って来た時には手遅れだったのだ。小学生になった頃、一通の手紙が届いた。
ぬらりひょんから、"我が家へ移り住め。使いの者は出す"という指示。双子はそれに従う事にした。
夜──…
「お迎えに上がりました。大翔様、水月様」
「三羽鴉様」
「ふふ、水月様…いえ、姫様。私の事はささ美とお呼び下さいませ。敬語も要りません。総大将と"あのお方"から姫様の側近に任命されましたので」
「ささ美…分かったわ。宜しくね」
「はい」
「大翔様、我々の事は黒羽丸とトサカ丸とお呼びくだされ」
「側近に任命されましたので、宜しくお願いします」
「ああ、宜しく頼む。黒羽丸、トサカ丸」
「では、参りましょう」
ささ美は水月を、黒羽丸は大翔を抱える。トサカ丸は緊急の戦闘係であった。
家にある家具等は既に奴良家に配送済みである為、荷物は少なかった。
「ささ美」
「はい、姫様」
「…頼りにしてるからね」
「!…お任せを、姫様」
ささ美の返答に満足した水月。
そうこうしてる内に奴良家に着いた。
「大翔君!水月ちゃん!」
双子は降ろしてもらい、若菜に抱き締められる。
「良かった、良かったわ…2人だけでも、無事で」
親友の優菜を亡くした悲しみと、双子が無事でいる事に対する喜びとで涙を流す若菜。
「若菜、様」
「っ、我慢しなくていいのよ。泣いたって、いいの」
「「っ、」」ポロポロ
静かに泣く双子を強く、優しく抱き締める若菜は心に誓う。
必ず、この子達の笑顔を守り続ける。と。