【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】
第9章 女神と若の対面
バァンッ!
「お、おまた…せ、しま…し、た」
ゼェゼェ…と息切れをしているリクオ。
「リクオ、粗相のないようにっていつも言ってるでしょう?ダメじゃないの、そんなに乱暴に障子を開けたら…」
「ご、ごめん母さん…。急がないとと思ったから」
「綾響様の前なのy「若菜、大丈夫だ」…でも、綾響様…」
若菜に微笑む綾響。
リクオに早く座るように指示する。
「…師匠、此奴との対面は初になりますな。孫のリクオです。無礼な態度を申し訳ない。…どうか、お許しを…」
「ぬらりひょん、気にするな。ソイツはまだまだ子供だ。一度や二度の失敗くらい、見逃すさ」
「すいやせん…」
「…リクオ、この方が誰なのか…。首無とかから聞いてるだろ?挨拶しな」
「あ、うん
えと…。お初にお目に掛かります。孫の奴良リクオです」
ガッチガチに緊張しているリクオに対し、綾響はリクオを通して見えた"誰か"を見ていた。
「…成る程な」
「綾響様?」
「…リクオ。お前に問う
奴良組三代目若頭として皆を率いる大将になる決意はあるか」
「っ…そ、れは
(ボ、ボクは…三代目になんて、…)」
「答えよ」
綾響の鋭い眼差しにヒュッ…と喉を鳴らす。
妖怪に"畏"があるように、神にも"纏"がある。
最高神である事を理解してる上で最小限に抑えてると言えども、溢れ出る強いオーラ。
その僅かな欠片が見えたリクオは冷や汗を流し、キュッと口を噤んだ。
「…あ、綾響殿。今日はもうその辺で…」
「そ、そうですぞ。リクオには、ワシ等が言って聞かせますわい」
「お前達は黙っていろ
俺は奴良リクオ、お前に答えろと言ってるんだ」
「「っ…(冷汗」」
「ボ、ボクは…三代目には、なりません」
ビクッ
「…お前、意味が分かって言ってるんだよな?勿論」
「っ…は、い」
「…そうか」