【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】
第2章 婚約者は前世で恋した人
「…私達に何か用でしょうか」
「あの…ボク、リクオ」
「氷麗と、申します」
「2人の名前は?」
「大翔と申します」
「双子の妹、水月に御座います」
「水月…」
「大翔、様」
頬を赤らめ、私達の名前を呟く2人。ふむ、可愛らしい。
確か、話ではリクオ様の事は聞いていたし…接触しても大丈夫でしょう。
「…リクオ様」
「ぁ、なあに?」
「リクオ様は三代目になられるのですか?」
「う、うん!なるよ!」
「そうですか…」
私達は雨宮組。奴良組の者じゃないから、あまり長く話す訳にはいかないわね。…リクオ様は気付いてないけれど、周りの妖怪は警戒しているのだから。
「リクオ様、またお会いしましょう?では、私はこれで…」
…いや、なんで離してくれないのですか。
「水月…ボクは君がすk」
人差し指を彼の唇に触れさせて言葉を止める。それ以上、聞く訳にはいかない。
どうして?
と、悲しげに見つめてくるリクオ様。ああ、そんな顔をなさらないで下さいませ。私だって、貴方様のものになりたいわ。
でも、まだその時ではないです。
「私達はまだ出会ったばかりですわ。まだ、口に出してはなりません。…貴方様が、覚醒なされれば…私は貴方様のお側にいる事が出来ますわ。それまでは、どうか…胸に秘めていて下さいませ」
頬を赤らめて淡く微笑み、同じ身長の彼の耳元に口を寄せる。
「その時は、私を…貴方様のものにして下さいませ」
驚く彼に微笑み、大翔と共にお母様の下へ歩き出す。
「気に入ったのか?次期三代目若頭を」
「あら、それはこちらの台詞よ?
あの娘と約束してたみたいね」
「まあ、お袋が許してくれるかによるけどな」
「ふふ、それもそうね」