【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】
第2章 婚約者は前世で恋した人
今の私達は妖の姿で屋敷に出向いている。私と大翔は半妖だけど、覚醒が早かったから力の暴走はしてない。
「あ!優菜!お久し振り〜!」
「若菜じゃない!お久し振り〜!」
「んもう、元気だった?」
「元気に決まってるじゃないの〜」
まるでjkの会話のように華を咲かせるお母様達。
「あら?この子達が優菜の子供達?」
「ええ、そうよ!」
「大翔と申します」
「双子の妹、水月に御座います」
「あらあら〜可愛らしい子達じゃないの、流石は優菜ね!」
「ふふん。って、若菜の子は何処に?」
「あの子なら…」
パタパタ…
「おかーさん!」
「お待ち下さいませ!若ぁ!!」
誰かが私達の方に走って来ている。私と大翔はそっちを見る。
茶髪の男の子と、その子を慌てた様子で追い掛けている白の着物を着ている紺色がかった髪の女の子…雪女かしら?
「あらリクオに氷麗ちゃん。丁度良いタイミング!優菜、この子は息子のリクオ。こっちは雪女の氷麗ちゃん」
「あらあら…本当、鯉伴によく似てる」
「お姉さん、お父さんを知ってるの?」
「ええ、よく知ってるわ…」
…これ以上は良くないわね。
「お母様、そろそろ…」
「そうね。…若菜、ぬらりひょん様は居るかしら?」
「優菜…。ええ、今案内するわね。氷麗ちゃんはリクオをお願いね?」
「は、はい!」
私達が歩き始めた時、ギュッと誰かに死覇装の袖を掴まれて振り返る。其処には後に三代目となる彼、リクオ様が私の袖を掴んでいた。
ふと、隣を見る。…如何やら、大翔も氷麗に袖を掴まれたらしい。
「大翔?水月?」
「お母様、先にお行き下さい」
「我等は後から向かいます」
「…分かったわ」
お母様達を先に行かせて、私達は2人に体を向ける。