【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】
第7章 覚醒
「くそっ…行けお前ら!!纏めてかかれ!!」
残りの妖怪達が一斉にかかってくる。
身の程知らずもいい所ね。
「水月、お前の力。オレに見せてくれ」
「若様…。分かりましたわ、見ていて下さいな」
リクオ様の側から名残惜しく離れ、一歩前に出る。
そして、腰に差した刀の柄を握る。
「「!姫様!!?」」
「ふふ、私の大切な人達を傷付けないで下さる?」
素早く抜いて横に一振りするとガゴゼ会の妖怪達は真っ二つ、ドサドサと残りの連中は倒れていく。
「…凄い……」
「くっ……ん?」
ガゴゼは一瞬怯むが、子供達を視界に入れると一直線に向かって行く。
「…水月、此処で待ってろ」
「はい。若様、お気を付けて」
子供達に迫るガゴゼの間にリクオ様が素早く入り、刀を刺す。ガゴゼは切れた顔に痛い痛いと泣く。
「なんで、なんで…貴様のようなガキに…ワシの、ワシのどこがダメなんだー!?
妖怪の誰よりも恐れられているいうのにー!!」
呆れた…。そんな事も分からないだなんて。
「子を貪り喰う妖怪…そらぁ"恐ろしい"さ…だけどな…弱ぇもん殺して悦にひたってる
そんな妖怪がこの闇の世界で1番の"畏"になれる筈がねぇ」
「!!」
「情けねぇ…こんなんばっかかオレの下僕の妖怪共は!だったら!!オレが三代目を継いでやらぁ!!
人に仇なす様な奴ぁ、オレが絶対許さねえ。
世の妖怪共に告げろ、オレが魑魅魍魎の主となる!!
全ての妖怪はオレの後ろで百鬼夜行の群れとなれ!」
リクオ様はその言葉と共に、ガゴゼを斬った。