【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】
第7章 覚醒
水月sied
現場へと着くと、トンネルの入口が岩や土で埋められてる。私達ならばともかく、人間では暫く入ることは出来ないわね。
にしても…。
「…リクオ様」
「ん?」
「この辺り、他とは違って薄そうですわ」
私の指差す方を見てリクオ様は頷く。
「…青、黒」
「「はっ」」
小妖怪達が大体の岩を退かし、力がある青田坊や黒田坊達が残った岩と土の壁を破る。
「おほ…見つけましたぜ若ァ、生きてるみたいですぜー」
トンネル内に入ると、中には小学生が多数…。
それから、ガゴゼとその下僕の妖怪達がいた。
「……ガゴゼ
貴様…なぜそこにいる?」
「本家の奴らめ…」
トッ、とリクオ様は地面に降り立つ。私に"降りて来い"と視線を送ってくるので、その隣に降り立つ。
人の姿をしていない妖怪達が子供達をあやそうとするが…。
「オメェ等、顔怖ェんだからやめろ」
「へ、へい」
リクオ様に止められる。
「よかった…無事で
カナちゃん、怖いから目つぶってな」
「…ぇ、誰……?」
リクオ様はそれだけ言うと子供達に背を向けてガゴゼ達の方へと向き直る。
「子供を殺して大物ヅラかしら?」
「オレを抹殺し、三代目を我がモノにしようとしたんなら…
ガゴゼよ、テメェは本当に…小せぇ妖怪だぜ」
リクオ様の言葉にガゴゼの下僕の妖怪が胸倉を掴みに掛かるが、首無の紐で止められる。
「若様や姫様には1歩も近付かせん。ガゴゼ会の死屍妖怪どもよ…」
「な、なめるなぁああぁぁ…!」
反撃しようとするが首無の紐によってそれは叶わず…。
結果絞め殺された。
仲間達が戦っている間、リクオ様は私の髪を弄る。
「水月の髪、綺麗な色だな。触り心地も良い」
そう言って髪にキスをする。
「わ、若様…////」
「ふっ、照れてるのかい?」
「…若様の意地悪…//」
袖で口許を隠し、リクオ様を見上げる。
「好きだぜ、水月」
優しく微笑むリクオ様に私も頬を緩める。
「私も好きですわ、若様」
腰を抱き寄せられ、私はリクオ様に擦り寄る。
それしても、力差で奴良組の方が圧倒的に有利。
ガゴゼ会の妖怪達はどんどんやられていく。
珍しく大翔も戦っている事に驚いたけれど、氷麗が恋する乙女のような顔で大翔を見つめてるから微笑ましいわね。
私達の勝利は目に見えた。