【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】
第7章 覚醒
大翔sied
俺達が奴良家に来て早数日。
リクオの通う小学校に転校生として入るらしい。
って──…
「急な事ですね、爺様」
「なぁに、心配せんでもよい。お前達なら上手くやるじゃろ?」
「だとしても、おじ様?突然過ぎますわ」
「すまんの、師匠からの頼まれ事でもあるんじゃよ」
首を傾げる俺達に爺様は笑って誤魔化す。
「水月としては嬉しいじゃろぅ?リクオと居れるんじゃからな」
「ま、まあ…それは、そうですけど」
頬を赤らめる妹が可愛い。って、そうじゃない。
「面倒くさい…」
「ま、大翔…(苦笑」
「明日から行くんじゃぞw」
落ち込む俺を慰める水月。
にしても、外が騒がしい。何かあったのだろうか?
爺様も目を細めて庭を見る。
「行くぞ」
「「はい」」
爺様の後に続く。
俺達が着くと、丁度氷麗が取り乱しつつも、指を差している。その方向にはテレビがあった。そこには……。
【中継です!!浮世絵町にあるトンネル付近で起きた崩落事故で路線バスが"生き埋め"に…中には浮世絵小の児童が多数乗っていたと見られ…】
「!?
助けに…行かなきゃ…!!
ついてきてくれ!!青田坊!!黒田坊!!皆!!」
「「へ…ヘイッ!」」
しかし、リクオとついて行こうとする妖怪達を木魚達磨が止める。
「木魚達磨殿…?」
「なりませんぞ。人間を助けに行くなど…
言語道断!!」
「な、何で…?」
「そのような考えで、我々妖怪を従える事が出来るとお思いか!?我々は妖怪の総本山…奴良組なのだ!!
人の気まぐれで百鬼を率いられてたまるか!!」
木魚達磨の言葉に同意出来る部分はある。
「リクオ君…」
リクオ、如何するつもりだ。
俺の妹の顔を曇らせるなんざ許さねーぞ。
「や…やめねぇか!!」
リクオの叫び声に言い争いをしていた青田坊と木魚達磨、そして彼等を止めようとしていた奴等も驚いたようにリクオの方を向いた。
「時間がねぇんだよ。おめーの分かんねー理屈なんか聞きたくないんだよ!!木魚達磨!!」
「?」
「なぁ…皆…」
「若…?」
「若の姿が…?」
「何これ?こんな若…初めて」
「俺が"人間だから"だめだというのなら…妖怪ならばお前等を率いていいんだな!?だったら…
人間なんてやめてやる!」