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【銀の匙】別府太郎の話【完結】

第1章 別府太郎の話【完結】


「いきなりで申し訳ないんだけど、私とつきあってもらえないかな」
「……俺ですか?」
 放課後の加工室に二人きり。顔を真っ赤にしたに別府は戸惑いが隠せなかった。
「うん、今まであんまり話したことないし別府くんも困ると思うんだけど、お願い」
 今まで男としてほとんどみられていなかっただけに何かの罰ゲームだと最初は思ったが、の必死さは伝わってくる。
「俺、先輩の事知らないし、先輩も俺の事知らないんじゃないですか?」
 別府だって人並みに彼女が欲しい。しかしほとんど知らない相手とつきあえるほど器用でもなく、穏便に断ろうかと思っている

とギュッと手を握られた。
「じゃ、じゃあつきあう前提に友達からってのはどうかな。私の事知ってほしいし別府くんの事も知りたい」
 長身のに見下ろされるが、別府の方が恰幅がいいので威圧感はほぼ無い。
「……わかりました」
 それでも、年上とはいえ自分を真剣に見つめる瞳を可愛いと思ってしまった別府には断れず、結局頷いてしまった。
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