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橙思いて来世へ紡ぐ【鬼滅の刃】

第15章 夏祭り


「冨岡!

さすがに鮭大根は無かった!」


「そうか…」


「おまっ、夜店にある訳ねェだろォ!」


「そういう不死川さんにはおはぎ無かったので今川焼です」


「ぷっ」


「ーーー!

余計な事言うんじゃねェーーー!」


酔いも回って賑やかな大人達。


兎に角目立つ一行に、多数の生徒達が挨拶をしに顔を出していた。


圧倒的に女子生徒が多いが。


「うずせん浴衣イケメーン!」
「冨岡先生とさねせんも浴衣着てんじゃーん!」
「伊黒先生もオシャレー!」


キャッキャとはしゃぐ女子生徒に男性陣も悪い気はしない。


杏寿郎も例外ではなく。


「煉獄先生浴衣似合うー!」
「カッコイイ!」


鼻の下こそ伸ばしてはいないが、照れている杏寿郎に段々と腹が立っていく。



「お前、飲みすぎだァ」


生徒達を軽くあしらって戻ってきた不死川に、ビールの入った紙カップを没収される。


そんなに飲んでいたつもりはなかったが、気がつけば回りには空のカップがいくつも重ねられていた。


「全っ然大丈夫れす!

返してくらさい!!」


「どこがだァ」


もう若干呂律が回っていない。


「餓鬼共に嫉妬なんかするな、馬鹿」


生徒達を相手にもしない伊黒。


蜜璃が羨ましい。


「煉獄はそういう奴だろォ」


適当に流す、なんて出来ない男なのは承知だ。


そこも含めて愛しているのだが…。


「あーあ、不死川さんや伊黒さんみたいに軽くあしらえる人なら良かったのに」


相手が高校生といえど、女性というのは気分が悪い。


チラッ、と杏寿郎の方に目を向けるも、まだ杏寿郎、宇髄、冨岡の3人は生徒達と話している。


ついでに、めちゃくちゃ不機嫌なしのぶも視界に入った。



共感してくれるであろうしのぶの所へ行こうかと思っていると、不意打ちで不死川に顎を掬われ、顔が向かい合う。


「じゃあ、煉獄やめて俺に乗り換えるかァ?」


ニヤっ、と色っぽく笑う不死川。


普通にイケメンだからやめて欲しい!


「やめとけ、不死川」


「だ、だめよ!ちゃん!」


蜜璃、止めてるようで目がキュンキュンしてるよ?
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