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橙思いて来世へ紡ぐ【鬼滅の刃】

第14章 逢瀬


─翌日


楽しみにしていた蜜璃たちとのお出かけ当日。


よく考えてみれば "Wデート" じゃない!?と高校生みたいにちょっとドキドキしてしまった。


実は杏寿郎とはよく出かけているが、新生活を始めたばかりの2人には生活必需品などの買い物が多く、こうやってちゃんとしたデートをするのは初めてだった。


昔は杏寿郎が歌舞伎や演劇に誘ってくれ、よく2人で見に行っていた。


杏寿郎からしたら継子を労ってのお誘いだろうが、はおこがましいと思いつつ、逢瀬、つまり今でいうデート気分を味わっていた。


後に聞いた話で、杏寿郎も逢瀬のつもりで誘っていた事がわかり、お互い奥手過ぎたことに2人で苦笑した。


デートと思うとメイクも髪も服も俄然気合いが入る。


(杏寿郎さんの隣を歩いて恥ずかしくないように…!)


一心不乱に支度をしていく。


仕上げに杏寿郎から貰った指輪を嵌め、完成したところでタイミングよく杏寿郎が顔を出す。


「、そろそろ行かない…」


固まる杏寿郎。


「杏寿郎さん?」


顔を覗き込むと途端に抱きしめられる。


「きょ、杏寿郎さん!?」


それでも黙り込む杏寿郎。


「…よもや…可愛すぎて誰にも見せたくない」


の首元に埋めた髪の隙間から赤くなった耳が覗く。


「嬉しい!

今日は杏寿郎さんと初めてのデートだから頑張っちゃいました」


最高の褒め言葉にも頬を染める。


少しの間イチャイチャするも、約束の時間を思い出し慌てて出かける。
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