第10章 贈り物
「ちゅっ…1回イっておきなさい」
唇を離した杏寿郎がそう告げると、代わりに今度は咥内に男らしいゴツゴツした指が差し込まれ、本能的にその指を舐め回す。
すると
「…っ、どこでこんないやらしい事を覚えて来たんだ?」
声を抑える為に入れた指に、まさか口淫のようなことをされるとは思わず、杏寿郎の熱の方が上がってしまう。
しかし今はの番だ、と頭を切り替え、ゆっくり最奥を突き上げ、親指で蜜口の上の蕾を捏ね潰す。
「んんんっ!!」
肩を一際強く掴まれたかと思うと瞬く間に背筋から爪先までピンっと伸ばし、杏寿郎の上で身体を震わせる。
その締め付けに眉間に皺を寄せ耐える杏寿郎。
昨日、結婚は半年後にと決めたのにも関わらず、もうスキンを着け忘れて事に及んでしまったので、欲望のままに中で出す訳にはいかなかった。
ガクっと杏寿郎に凭れかかるの身体を抱き留め、自分も呼吸を整える。
「はぁ…はぁ…」
「いい子だ。
続きは寝室でな…」
目をトロンとさせ頷くが愛おしく、おでこにキスをする。
杏寿郎のものを中から抜き、横抱きにして寝室へ向かう。
寝室にさえ入れば、もう周りを気にすることなく楽しめる。
布団へ雪崩込み、全てを脱ぎ捨て何度も求め合う。
「杏寿、ろさんっ!愛してます、っあぁぁ!!」
「っく、、愛してる、っ!」