第10章 贈り物
─翌朝
今日は月曜、週の始まり。
の初出勤の日である。
流石に朝までは抱かれなかったものの、寝不足に違いないが、緊張して目覚ましより早くパッチリ目が開く。
隣を見ればまだスヤスヤ寝ている杏寿郎。
あの大きな目が閉じられている顔は本当に端正で、ついマジマジと見てしまう。
(かっこいいな…でも寝顔はちょっと幼くて可愛いな…)
手を伸ばし、杏寿郎の顔にかかる髪をはらう。
するとその伸ばした左手の薬指に光る指輪に目が留まる。
「え…」
昨夜お風呂に入る前に外したはずの指輪。
しかしそこには昨日買って貰った一粒ダイヤの指輪…ではなく、が二択で迷ったもう一つのラインストーンの指輪が光っていた。
「む、もう気づいたか?」
寝ていると思っていた杏寿郎がこちらを見て笑っている。
かなり間抜け面だったと思う…
「これ…」
「あっちじゃ普段から着けられないと思ってな!
だからこっちも買っておいた!」
記憶が戻って結ばれただけでも十分なのに、一緒に住んで、プロポーズもされて、指輪まで買って貰って。
日本に来てから毎日毎日幸せが増えて。
「…っ、幸せ過ぎて怖いくらい…
ありがとうございますっ…わたしも何かお礼がしたいです」
ポロポロ涙を零しながら、杏寿郎の首に抱き着く。
「喜んでくれたならそれで十分だ!
と、言いたい所だが、そのお礼の代わりに…」
そう言うやいなや、を組み敷く。
「朝から抱き着かれては我慢ならん!
1回付き合ってもらおうか?」
よく見ればも杏寿郎も昨夜は愛し合ったまま寝てしまったので、お互い何も身につけていなかった。
杏寿郎はわざとの腿に自分の硬くなったものを当て、誘う。
まだ余韻の残る身体には毒で、すぐに熱が戻ってそれを受け入れる。
「っあ、いっかい、だけ、っん!です、よ…!」
「頭ではそのつもりだ!…っく!」
「きょ、じゅろ、さんっ…!
指輪っ、大切にします!…っあぁぁ!!」
「…っ!!」
手と手を握り合い、一緒に達する。