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橙思いて来世へ紡ぐ【鬼滅の刃】

第17章 過去


♢




「今日は夜風が気持ち良いですね」


風呂上がりのが、縁側に座っている杏寿郎の横に腰掛ける。


「どうだ?も」


そう言って缶ビールを差し出す。


「頂きます」


「して、さっきの続きを聞きたい!」


が一口飲んだのを確認して、話を催促する。


杏寿郎の帰宅時、あまねとの関係を少し話した。

それ以上は長くなってしまいそうなので、後で、というのを杏寿郎は楽しみにしていた。


「そんなに面白くはないですよ?」


「の事だ!全部知りたい!」


「ふふ。では。

あまね様が迎えに来てくださった時、頑張りましたね、と抱きしめてくださったんです。

母を思い出して、恥ずかしながら泣き喚いてしまいました。

そのまま気を失い、目が覚めた時は産屋敷邸で…」




目が覚めると知らない天井。


「先程より顔色も宜しいようですね」


目覚めと同時に障子戸から入られたあまね様がテキパキと今の体の状態を確認。

寝不足に栄養失調、心の乱れ。

ひと月の療養生活が始まった。




「あんなに休んだのは初めてでした。

おかげで回復機能訓練でカナエさんにかなり扱かれました」


ほわんとしたカナエの鬼の訓練を思い出して苦笑する。


「ただ、療養といっても怪我をした訳では無いので、家事や、その当時幼かった御館様のお子様達のお世話を手伝わせて頂きました。

しゃま~って、みなさん懐いてくれて。

その時にあまね様とはかなり親しくなれたと思います」


「まさか産屋敷邸で暮らしていた事があったとは!」




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