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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第95章 二人分の温もり




毎週土曜日は、洋平がうちに来て夕食を食べる日だ。
今日もいつも通り食べに来て、22時くらいに洋平は帰るはずだった。
「また明日な。」って言って。
まさかこいつが現れるなんて、思ってもみなかった。


「お…、かえり…。」
「おぉ。」
「…帰ってくる時間くらい、教えろよ…。」


びっくりした後、少し泣きそうになった顔が見たかった。
会いたかったという気持ちが、痛いほど伝わる。
愛されているんだと実感する瞬間が、心地いい。


「今、出れるか?」
「うん…。」










自転車は置いてきた。
ゆっくりとした時間を過ごしたかったから。


「まったくおまえってヤツは、電話もあれっきりだし、いきなり帰ってくんなよ!」


悪態付いてくる声が久しぶりすぎて、妙に安心する。
オレは、の隣に帰ってきた。



ぎゅ…っ



「楓?どう…した…?」


この鈍さも変わらない。
こいつに自分の想いを伝える時はストレートに。


「…離したくねぇ。」
「…!」
「逃がさねぇから、覚悟しとけ。」


久しぶりに抱き寄せた体は、なんだか小さく感じた。
でも暖かさ変わらない。


この暖かさを、オレは離したくないと思った。









































二人分の温もり
「洋平くん…。は今夜、ちゃんと帰ってくるよねぇ?」
「おじさん、帰って来なくても怒っちゃダメっすよ。」
「っ!!!」




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