第94章 今日を乗り越えて明日に逢いたい
「おい、。進路調査、出してないのおまえだけだぞ。」
担任の言葉を思い出すと、ブルーな気持ちがどん底まで落ちる。
何になりたいかなんて、よくわかんねぇよ。
それでも自分が学生でいる限り、進路という問題は切っても切れない。
あれから電話もないし、良い事ない!
現実逃避をしたくて、眺めていたテレビ。
そこにはプロバスケ選手が映っていた。
あぁ、テレビまでも私を追い詰めるのか。
『オレを支えてくれたのは、トレーナーさんです。この人がいてくれたからこそ、どんな苦難でも乗り越えられたんです。オレの大事なパートナーです。』
トレーナーと言う存在を知らなかった訳ではない。
私だって、曲がりなりにもスポーツ選手だ。
トレーナーがいるととても心強いだろう。
楓はきっと、これからいろいろな事に苦しむ。
それを一番近くで支えてあげたい。
一緒にいてあげたい。
うん。
私はスポーツトレーナーになる。
今日を乗り越えて明日に逢いたい
私の夢はここにある。