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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第88章 落とし穴のように突然に




「Hey!!」


それは、本当に突然だった。


冬の選抜大会決勝は、山王工業vs海南大付属。
制したのは山王工業だった。


その試合を観戦した帰り道だった。
金髪碧眼の外人が、息を切らしながら私たちを呼びとめた。
そして聞き取れない速さの英語で、まくしたてた。


『おいっ!ディーム!!いきなりいなくなるな!!』
『あぁ、すまん。だが、ようやく見つけてね…。』


今の会話は聞き取れたぞ…。


「君たち、驚いただろう。すまないね。私は、深沢と言うんだ。こっちは友人のディーム。」


深沢さんは、バスケプレーヤーを育成しているトレーナーさんなんだそうだ。


「今、若い時から本場のバスケテクを身につけてもらうため、色々な子をスカウトしているんだよ。」


ディームさんは、その選抜チーム(?)の監督のようだ。


『ルカワくん。僕は君のような子を探していたんだ。ぜひ僕のチームに入ってもらいたい。』
「流川くんと言ったね。ずっと君を探していたんだよ。スカウトさせてくれるかな?」
「!!」


あの楓が驚きを表情に出した。
まぁ、まわりの驚きも半端なかったが…。


「ほっほっほっ。これは深沢くん。久しぶりですね。」
「安西先生。お久しぶりです。」


どうやら安西先生の知り合いのようで、仲良く話していた。
大丈夫。
楓はまだ日本一の高校生になってない。
まだ、アメリカになんて行かない。……はずだ。


でも、行く事になったら…?
私は笑顔で送り出せるだろうか…。










































落とし穴のように突然に
楓の夢を応援したいのに、わがままな私が邪魔をする。




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