第85章 目眩がするほど
冬の選抜大会、予選準決勝。
湘北vs海南のカード。
スタメンは宮城、三井、安田、桜木、そして流川。
海南には牧も神も高砂もいる。
そしてこの試合に負ければ、みっちゃんは引退だ。
赤木さんがいなくてもみんなは、王者に食らいつく。
その中でもやっぱり一番生き生きしてるのは楓だった。
「楽しそうだな…、あいつ。嫌になるくらい、生き生きしてる。」
「流川くん?」
「あぁ。あの頃とちっとも変らない。」
「あの頃…?」
あぁ…、クラクラする。
試合結果は敗北。
けれど、それぞれに得るものがあった。
得るものさえあれば、こちらの勝ちだ。
目眩がするほど
この感覚は、出会った頃から変わらない。