第84章 ついばむようにキスを繰り返して
「ストレートに言わなきゃ。伝わらない。」
の幼馴染に言われた言葉。
そして最近、その言葉を改めて実感する。
2人でいても、甘い空気にはそうならない。
だったら、作るしかねぇ。
「………てぇ。」
「ん?楓、なんか言った?」
「“キスしてぇ”っていってんだ。」
「………ふぇ?」
理解したのか、の顔が一気に赤くなる。
「……。」
流れる沈黙。
さすがに空気が重い。
しくじったかと思った時だった。
「……いいよぅ。」
小さな声ではあったが、許可の言葉。
少し驚いての方を見ると、うつむいて流れる髪の隙間から真っ赤になって耳が見えていた。
絶対、頬はもっと赤い。
頬を隠すオレンジの髪をすくいあげると、案の定、真っ赤の頬が見えてきた。
ちらりとオレの方を見てきたと視線がぶつかる。
オレは吸いこまれるように、に近づいてキスをした。
ついばむようにキスを繰り返して
やっぱり、甘ぇ。