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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第81章 つぎはぎになった思い出




最近、の様子がおかしい。
の顔を見ない日はないのに、ここ数日避けられてる気がする。


なぜだ?


まさか…、まさかな…。





「ねぇ、あいつの顔見たー?」
「見た、見た。傑作だよねぇー!」
「あたしたちが言うまで、マジで分かんなかったのかな?水戸くんの気持ち。」
「分かんないんじゃん?あいつ、ニブいしー!」
「水戸くんかわいそー!!!」





予感的中…。





ウソだろ…。
何のためにオレがひた隠しにしてきたか…。





『もう、泣くなよ…。』
『だってぇ…、うえぇぇんっ!!!』
『オレがずっとそばにいるから。』
『ずっと…?ずっとってどれくらい?』
『ずっとはずっと。が幸せになるまで、ずぅっと。』





小さい頃に約束したこと。
オレは今まで、必死でその約束を守り続けてきた。
自分の気持ちを押し通すよりも、の気持ちを優先にしてきた。
自分が幸せになるより、に幸せになってもらいたい。





「よーへー!!」


息を切らして、何事かと思えば


「うおっ!!」


人の背中にタックルを仕掛けやがった。
なんなんだよ。
避けてたんじゃないのかよ。


「よーへー。」
「なんだよ。」
「んー。私は幸せです。」
「はぁ?」
「それだけ言おうと思って。じゃ、部活行くわ。」










































つぎはぎになった思い出
その一言が聞きたかったんだ。




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