第80章 希望的観測と悲観的論調
「おめーとの関係を壊したくなかったんだろ。」
「関係?」
「自分の気持ちを言ったところで、ダメになるのは目に見えてる。幼馴染と言う関係がぎくしゃくするかもしれねー。」
「そー言うもんなの?」
「そーなる場合もあるってことだ。ぎくしゃくするくらいなら、多少苦しくても今のままが良い。そう思ったんだろ。」
「そうなのかなぁ…?」
絶対そうだ。
あいつは恋愛とかの時限じゃない所からを見てる。
「だからおまえは、なにも知らないふりして、今まで通り幼馴染として接してればいいんだ。」
妹を心配するような、娘を見守るような、そんな穏やかな気持ちだろう。
じゃなきゃ、オレとの関係を見守る余裕はないはずだ。
「あいつにとっての幸せはが幸せになることだ。」
希望的観測と悲観的論調
安心しろ。オレが幸せにしてやる。