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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第79章 愛されていると判っていても




『もう、泣くなよ…。』
『だってぇ…、うえぇぇんっ!!!』
『オレがずっとそばにいるから。』










懐かしい夢を見た。


あれは私が4歳の頃だ。
父さんの浮気に、母さんが我慢できなくなって家を出て行った日だ。


あの頃の私は、母さんの出て行く理由が分からなくて
ただ、捨てられたという事実だけが悲しくて、ずっと泣いていた。


そんな私のそばにいてくれたのは、父さんでも、もちろん母さんでもなく
洋平だった。


ずっとそばにいる。
その言葉通り、洋平はずっとそばにいてくれた。
彼女がいた時期もあったけど、それでも、私との仲は変わらなかった。


これからも、ずっと変わらないと思ってた。





「あんた、流川くんがいるのに、水戸くんにまで手ぇ出してるんだって?」
「二股女!サイテー!!!」
「洋平は、そんなんじゃ…。」
「水戸くんかわいそー。あんた、水戸くんの気持ち分かってないでしょ?」


洋平の気持ち…?


「水戸くんも、こんな女のどこが良いんだろうねぇ?」
「私が男なら、絶対にこんな女、好きにならないわよ。」


え…?

洋平が、私の事、好き…?


うそだ。
なんで?


私の恋愛相談、聞いてくれたじゃん。
洋平、彼女いたじゃん。


知ってたよ。
洋平が私を大事にしてくれてるのは。
でも、でも、私は無理だよ。
洋平の気持ちに応えられない。


好きだけど、洋平のこと好きだけど、そんなんじゃない。








































愛されていると判っていても
洋平は特別だけど、トキメク事はないんだ…。




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