第4章 気付いてほしくて
中学の時に、たった一度だけ見かけた流川。
和光中と富ヶ丘中の練習試合。
応援で行ったコートの中で流川を見た。
流川のワンマンチームだとウワサされていたが、それ以上に上手かった。
そのプレイスタイルだけは忘れられない。
「マネージャー、やれ。」
遠くて、名前も知られていなかった時に比べれば…。
「やれ。」
少しは距離を縮められたんだろうか…。
一応は、必要とされているんだろうか…。
「マネー…。」
「あーうるせぇ!!わーったよっ!!!やるったら!!!」
あー…。
グッバイ、のんびり放課後ライフ…。
洋平のあきれた笑顔が目に浮かぶさ…。
それでも、私の存在に気付いてほしい。
「よく、やる気になったな。」
「………知ってるくせに…。」
「ははっ。おまえも女だな。」
「ぶっ殺してやりてぇ…。」
「いいじゃねぇか。恋はしろよ、兄妹。」
「恋とか言うなっ!!」
私を必要としてほしい。
君の中で、その他大勢になるなんて嫌だから。
気付いてほしくて
こんなキャラじゃないけどさ…。